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2021年11月2日火曜日

あの『アメリカン・ハニー』が日本初スクリーン上映ですってよ!(12月4日に再上映あり)

そうだ、記事を書こう。ブログを書くのは約2年ぶりだ。そうだ、京都に行こう、と決める前に、もっと早く思いつくべきだった。なにせ大好きな『アメリカン・ハニー』が、日本で初めてスクリーンで上映されるのだ。それもたった一日、一回だけ。

『アメリカン・ハニー』は、イギリスの映画監督アンドレア・アーノルドが2016年に発表したロードムービーで、同年のブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワーズではケン・ローチの『私は、ダニエル・ブレイク』を抑えて作品賞、監督賞、主演女優賞など4部門に輝いている。

監督のアーノルドはイギリス人だが、舞台はアメリカ。田舎の貧困地域で希望ゼロの毎日を送っていた十代の少女スターが、雑誌の訪問販売をしながら旅をする若者の一団に加わり、まるでパーティーのような享楽的な暮らしに身を投じていく。彼らは現代のキャラバンであり、一種の疑似家族なのだが、未来など気にもとめない若者たちだからこそ成立している危ういその日暮らしは、まるでかりそめの夢を見ているかのようで儚くもある。

主演は、フロリダ州のビーチリゾートでスプリング・ブレイク中にスカウトされたというサッシャ・レイン。別の主演女優が急遽出演できなくなり、ドレッドヘアーで大きなタトゥーを入れた彼女に惹きつけられて出演を依頼したという。当人は最初はポルノの勧誘と思ったというのも当然の経緯だ。

ほかの出演者も、大半がストリートで監督に見いだされた演技未経験の若者たち。それぞれが撮影直前にだいたいの設定を知らされるだけで、誰もが素に近い状態で、ほとんどアドリブで演じたという。

サッシャ演じるスターと、彼女が恋に落ちるジェイク(シャイア・ラブーフ)を軸にした劇映画ではあるものの、意図的な演出にコントロールされていない出演者たちのナチュラルな佇まいが“なまもの”としか言いようのないライブ感を醸し出す。プロットを追うよりも、同じ空気を共有する刹那の高揚感こそが本作の核だろう。そして彼らが好むポップミュージックの数々が、本音で語り合ったりはしない若者たちのほんとうの姿を伝えてくれるように感じられる音楽映画でもある。

サッシャ・レインは本作で一躍脚光を浴び、『ハート・ビーツ・ラウド』(18)のようなインディーズ作品からリブート版『ヘルボーイ』(19)やマーベルの「ロキ」(21)といったメジャー系まで順調に俳優業を続けているが、本作のスター役はおそらく一生に一度レベルの当たり役で、彼女が放つ野生動物のようなオーラから目が離せなくなる。これほど“なま”なサッシャが見られるのも、デビュー作でしかあり得ない奇跡ではなかろうか。

ところが日本では、映画ファンであっても本作の存在を知らない人が少なくない。劇場未公開だしソフト未発売だし、動画配信サービスで観られた時期もあったが、それも短期間で消えてしまっている。そもそもアンドレア・アーノルドという監督も、世界的な評価は高いにも関わらず、日本では限定的な特集企画や映画祭でしか監督作が上映される機会がなかった。なんとももったいない話だ。

『アメリカン・ハニー』も、幸運にも観ることができた一部の人たちの間だけで語り継がれる幻の作品になってしまうかと思われた。ところが、最初に触れた通り、なんと京都みなみ会館で、11月6日に一度きりのスクリーン上映が行われることになった。

人づてに聞いたところによると、京都みなみ会館さんが自ら企画されたという。みなみ会館では以前もハーモニー・コリンの『トラッシュ・ハンパーズ』が一日だけ特別上映されていたが、あれは確か主催者が別にいたかと思う。日本の映画館で上映するには、海外の権利者から上映権を買い、日本語字幕を付けた上映素材を作る必要がある。その手間と費用を思えば、一日だけの上映というのはもったいないし、考えづらくもある。

なので、今後も上映の機会があったり、東京など別の街の映画館でかかる可能性はあるかも知れない。しかしそれも、現在唯一発表されている京都みなみ会館さんでの特別上映が成功しなければ、後に続く展開もないのではないか? その意味でも、この興行にはぜひ成功して欲しい。もちろん骨を折った人が報われて欲しいという思いもありますが、とにかくこの映画を多くの人に観て欲しいし、きっと企画の主旨もそこにあるんじゃないだろうか。

というわけで、微力ですが、自分も京都に行くことにしました。本作の映像美と詩情が最大限に発揮されるであろうスクリーンで観たいという我欲が一番の動機ではあります(※35mmのフィルム撮影と書きましたが勘違いでしたので修正しました。撮影はデジタルです。一時はサッシャ・レインのアップだけ35mmで撮ろうとしたけど断念したらしい)。しかし、単館の劇場が海外から一本の映画を買い付けて上映すること自体が大きなチャレンジだし、その瞬間に、祭りとして立ち会いたい気持ちも大きいです。

最近はことあるごとに残席数を覗いていて、あまり動きがなくて勝手にやきもきしていましたが、そろそろ座席も埋まってきた様子。興味がある方は、早めに予約しておくと後々悔やまずに済むのではないでしょうか?

そんなわけで、劇場サイトのリンクも貼っておきます。

https://kyoto-minamikaikan.jp/movie/13459/

◆2021年12月4日(再上映)

https://kyoto-minamikaikan.jp/movie/14370/


『アメリカン・ハニー』

2016年/イギリス・アメリカ/163分 監督・脚本:アンドレア・アーノルド出演:サッシャ・レイン、ライリー・キーオ、シャイア・ラブーフ、アリエル・ホームズ

京都みなみ会館にて、11月6日14:30から上映


追記:

ちなみにアンドレア・アーノルドの監督作は、現在開催中の東京国際映画祭で新作ドキュメンタリー『牛』(21)が上映され、Bunkamuraル・シネマが運営する動画配信サービスApartmentで『アメリカン・ハニー』の前作『ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~』(11)が配信中と、なぜか突如としてラッシュ状態。マイケル・ファスベンダーが掛け値なしのクソ男を演じた『フィッシュ・タンク』(09、DVDあり)も青春映画の逸品なので、京都には行けないという人もぜひアーノルド作品に触れていただきたいです。

2017年6月21日水曜日

ハル・ハートリーの「ヘンリー・フール」三部作、クラウドファンディングの詳細を日本語に訳してまとめました。

【「ヘンリー・フール」三部作が初めて観られるチャンス!】
 

90年代のインディーズシーンを席巻した映画監督ハル・ハートリー(公式サイト)が、『ヘンリー・フール』(1997年、1999年日本公開)と続編の『フェイ・グリム』(2006、日本未公開)、『ネッド・ライフル』(2014、日本に公開)からなる「ヘンリー・フール三部作」のBOXセットを自らの映画会社POSSIBLE FILMSからリリースするためにクラウドファンディングを募っています。

自分がこのプロジェクトに成功して欲しい一番の理由は、日本ではVHSテープしかリリースされていない『ヘンリー・フール』と、日本未公開の『フェイ・グリム』『ネッド・ライフル』が、日本語字幕が付いた状態でHD画質でリリースされるからです。
 
『ヘンリー・フール』は自称・天才作家のヘンリーと、詩人の才能を開花させるゴミ収集人サイモンの交流を描いたヒューマンコメディでした。サイモンの姉でヘンリーと結婚したフェイがヨーロッパでヘンリーの行方を探す『フェイ・グリム』と、ヘンリーとフェイの息子ネッドが不幸の現況である父親を殺そうする『ネッド・ライフル』は、同じキャラクターによる繋がった物語でありながら、日本では劇場公開もソフトリリースもなく、どんな内容なのか噂を聞くだけの状態が続いてきました。
 
今回、ハートリーは日本のファンにも「ヘンリー・フール三部作」を楽しんで欲しいと、日本語字幕(及び仏、独、西、英の5か国語)を付けた状態でのリリースを望んでいます。「日本の人に観て欲しい」って、そりゃこっちだってそうだよ! ずっと観たいと思ってたよ!
 
【ハル・ハートリーが、日本語字幕を付けるための資金を募っています!】

今回のクラウドファンディングの〆切は7月13日(日本時間22時37分)。目標額に達しなくてもBOXセットはリリースされるけれど、資金が集まらなかった場合に日本語字幕が付けられるかどうかは危ういところだそうです。
 
しかし、日本から100ドル以上の援助者が100人集まれば、ニーズがあると判断して字幕を付けるとハートリー本人が言っています。100人のファンの声があれば、初めて日本語字幕で「ヘンリー・フール三部作」が観られるってことですよ。マジで。

以下、状況を箇条書きにします。

・クラウドファンディングが成功すれば、日本語字幕付きの「ヘンリー・フール三部作」BOXセットがリリースされる。
・もしファンディングが失敗しても、日本から100人以上が100ドル以上の参加申請をしていれば、日本語字幕は付く。
・クラウドファンディングに100ドル以上の参加をすると(申し込んだプランに応じて)DVD BOX+ハートリーの新作CDかBlu-ray BOX+CDが、特典として送料無料で送られてくる。
・参加しても課金されるのは、クラウドファンディングが成功した時のみ。目標額が集まらなかった時はクレジットカードに課金はされない。
・今回のプロジェクトが成功すれば、『トラスト・ミー』などの過去作もすべて日本語字幕付きでリリースする予定である。

ハートリーの映画のファンとして、ぜひ実現するよう応援したいのですが、クラウドファンディングのキャンペーンを行っているKickstarterが海外のサイトで(今年中に日本語バージョンがローンチされる予定)、英語のサイトだから何が書いてあるのかわからない、どう参加していいのかわからない、という方も多いようです。
 
なので、クラウドファンディングの募集ページを片っ端から日本語に訳してみました。どういう企画なのか? ハートリーの意図はどこにあるのか? 今後の展望は?といった疑問に答えてくれるかと思います。
 
クラウドファンディングのサイトはこちら(英語)になります。
 
以下に日本語訳(下手な訳文と多少の間違いはご容赦ください、酷いものはご指摘ください)を貼りますので興味のある方、どうか読んでみてください。
 
また、ファンディングに参加する手続きについては「キックスターター 参加方法」とかで検索するか、Kickstarterの詳しい解説をしてくださっているブログがありましたので、こちらにリンクを貼ります。とりあえずクレジットカードは必要ですね。
 
またどの特典プランを選ぶかは、私見ですがDVDとCDが送られてくる100ドルのプラン”か、“Blu-rayとCDの115ドルのプラン”かの二択だと思います。それ以下だとせっかく日本語字幕が付いたソフトが手に入らず、あまり参加する意味がないですし、発売されてから注文すると送料が余計にかかります。(※自分は映画ライターですので、今後の資料としてBlu-ray+CDにオリジナル書籍が付く175ドルのプランを選びましたが)

・追記:BOXセットの価格はDVDが100ドル、Blu-rayが115ドル。つまり今回のクラウドファンディングに参加することは、実質的には出資というより、リリースされるソフトをハートリーの新作CDと送料無料という特典付きで定価購入するのと同じです。

・追記2:少額の支援でも10ドルから特典(特製しおりとか)が用意されていますし、ハートリーの気持ちに応えたいという気持ちであれば、金額はわずかでも全然構わないじゃないか、と「100ドルか115ドルの二択」と書いたこと反省しております。1ドルからでも参加できるはず。
 
以下、クラウドファンディングの募集要項です。実際の申し込みはKickstarterのサイトから。
  「ヘンリー・フール三部作」BOXセット、クラウドファンディングサイト
https://www.kickstarter.com/projects/260302407/henry-fool-trilogy-boxed-set/
 
※こちらにハートリーと「ヘンリー・フール三部作」についての記事も書きました。もしよろしければ。
http://www.shortcuts.site/piece/3132

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《キックスターターゴールド:「ヘンリー・フール三部作」BOXセット》

https://www.kickstarter.com/projects/260302407/henry-fool-trilogy-boxed-set/
Kickstarter クラウドファンディングページ
 
↓「ヘンリー・フール三部作」BOXセット、キャンペーン動画
https://ksr-video.imgix.net/projects/2943702/video-787435-h264_high.mp4
 

『ヘンリー・フール』(初のHD画質)、『フェイ・グリム』、『ネッド・ライフル』の三部作が、五か国語字幕付きのセットになって帰ってきます!

「ヘンリー・フール三部作」BOXセット

ヘンリー、帰還せり!


1998年のカンヌ国際映画賞で脚本賞を受賞した(今でも光栄です!)『ヘンリー・フール』が正式にHD画質でリストアされました。長い紆余曲折を越えて作品の権利も自分の元に戻ってきました。そこで私(ハル・ハートリー)は同作と『フェイ・グリム』『ネッド・ライフル』からなる三部作をBOXセットにまとめ、クイーンズに暮らすグリム一家の面々と、友人であり夫であり恋人であり父親である比類なき人物“ヘンリー・フール”が織りなす大河ドラマを改めてお届けいたします。
 
3作品すべてに英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、そして日本語の5か国語字幕が付く仕様です。
 
このファンディングが成功すれば、「ヘンリー・フール三部作」BOXセットはHDリストアを施したコレクションシリーズの第一弾になります。今後3年で全作品に5か国語字幕を付け、私の会社“POSSIBLE FILMS”が手がけた新パッケージでhalhartley.comにて販売する予定です。
 
新たにデザインされた今回のBOXセットには、レアな写真やエッセイを収録した16ページからなるブックレットを封入し、メニュー画面の操作性も向上させました。
 
「ヘンリー・フール三部作」BOXセットは2017年の11月からhalhartley.comで独占販売いたします。BOXセットをキックスターターのクラウドファンディングを通じて先行注文いただければ、100USドル(さらなるご支援も大歓迎です)で送料無料、間もなくリリースされる私の新作CD「After The Catastrophe」と一緒にお届けします。CDには新曲、「ヘンリー・フール三部作」『トラスト・ミー』『The Girl from Monday』『はなしかわって』のサントラ曲の新バージョンを収録する予定です。
CD「After The Catastrophe」
その他にも、BOXセットとオリジナル2018年カレンダーのセットなど、本プロジェクトをご支援いただくための様々なプランを用意いたしました。
2018年オリジナルカレンダー

POSSIBLE FILMSは、これからもますます意欲的な活動を続けてまいります。
 
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私自身、三部作を観直して改めて『ヘンリー・フール』が現代に通用することに驚きました。いつも素晴らしい名優ケヴィン・コリガン扮するウォーレンが、政治活動のビラを手に「アメリカを守れ、アメリカから!」と叫ぶ姿は象徴的です。『フェイ・グリム』は、敵意と無理解が蔓延するようになった911後の世界において、まさにフェイがそうであるように、善良ではあるけれど知識に乏しい平均的なアメリカ人像を反映しています。『ネッド・ライフル』では、和解の道を避けるように、主人公が明快さや平穏を求めるあまり暴力的な衝動に走ります。

3本の映画はまったく違うタイプのエンターテインメントで、それぞれの間に10年近い時間差もあります。しかし3本がまとまることで、私自身が属しているカルチャーの在り様を党派に偏ることなく映し出そうという、私が試みた形に限りなく近づくのです。そして私だけでなく多くの人が、この世の中と立ち向かっていると思っています。

今回この三部作をひとつのパッケージとして送り出せることを本当に嬉しく思っています。

また『ヘンリー・フール』は2017年11月より、アメリカとイギリス以外の国向けにhalhartly.comにてストリーミング公開もします。

DVDは北米と日本向けにNTSC形式、他の国々用にPAL形式で作成し、どこの国でも視聴できるようにリージョンコードは設定しません。

読んでいただいてありがとうございます。私は仲間と共に、これからの30日間、メールやニュースレター、音楽や動画を投稿しながらキャンペーンの周知に努めます。願わくはみなさんにお楽しみいただけて、興味を持っていただけますように。感心が持てない方々もお気遣いなく。それが人生ってものですから。

それではごきげんよう
ハル・ハートリー
2017年6月13日
 
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【過去のキックスタータープロジェクト】
 
私はこれまでに2度、キックスターターのキャンペーンで資金を得ることができました。一度目は2011年に『はなしかわって』を配給するために。2013年には前作『ネッド・ライフル』を制作するためでした。
『はなしかわって』より
『ネッド・ライフル』より
キャンペーンの成功は、キックスターターによって自分が世界のファンと直接つながりながら映画製作をできると確信させてくれました。そして次に私がやるべきことは、これまでに作ってきた映画を、私の作品を楽しみにしてくださった国々の言語を通じて鑑賞できる状況を作ることなのです。だからこそ、私は「ヘンリー・フール三部作」のクラウドファンディングをキックスターターで募集することにしたのです。
 
 
【リスクと挑戦】
 
前回のキックスターターでのキャンペーンに比べれば、今回出資いただくリスクは小さいものです。パッケージされる3本の映画はすでに完成していて、いい状態で保存されています。その意味では、これは決して難しくなく、楽しいプロジェクトだと言えます。
 
ただ、各国語の字幕については新しいチャレンジであり、われわれが鋭意努力しているところろです。翻訳と字幕の作業は、アメリカの業界をリードしている3社と協力して進めており、特にフランス語に関しては、非常に優秀で信頼している翻訳者であるマチュー・ゲルマン氏に依頼しました。またポッシブルフィルムズには世界各地によき友人で、英語と母国語に通じた仲間たちがおり、彼らが各国語の字幕に協力してくれています。

しかし、時には製品に思わぬトラブルが起きるケースもあります。『ネッド・ライフル』のプロジェクトでは、PAL形式のディスクNTSC形式のパッケージに紛れ込む事態が発生しました。20~30人の支援者からディスクが再生できないと報告があり、単なる不良品の問題ではないと認識することができました(今回はすべてのディスクに正しいフォーマットの記載をしています)。

そして当然のことではありますが、言語の翻訳は厳密な科学とは違います。中には翻訳の表現が違うのではという意見の方もいらっしゃるかも知れません。ただ私たちは、それぞれの言語に対して翻訳のグループを作って、最も筋の通った字幕を作ることを心がけています。

【「ヘンリー・フール三部作」BOXセット、クラウドファンディング参加特典一覧】
 
10USドル BOOKMARK
ヘンリー・フール三部作オリジナルしおり

25ドル CD
ハル・ハートリー新作CDAfter The Catastrophe
ヘンリー・フール三部作オリジナルしおり

35USドル CALENDER
halhartley.com 2018年オリジナルカレンダー、しおり

45USドル BOOK
オリジナルブック(インタビューやエッセイを収録)

50USドル CD & CALENDER
新作CD、カレンダー、しおり

75USドル CD, CALENDER & BOOK
新作CD、カレンダー、ブック、しおり

100USドル DVD SET & CD ※送料無料
ヘンリー・フール三部作DVD BOXセット、新作CD

110USドル DVD SET & CALENDER ※送料無料
ヘンリー・フール三部作DVD BOXセット、カレンダー

115USドル BLURAY SET & CD ※送料無料
ヘンリー・フール三部作Blu-ray BOXセット、新作CD

120USドル DVD SET, CD & CALENDER ※送料無料
ヘンリー・フール三部作DVD BOXセット、新作CD、カレンダー

125USドル BLURAY SET, CD & CALENDER ※送料無料
ヘンリー・フール三部作Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー 
 
140USドル DVD SET & BOOK ※送料無料
ヘンリー・フール三部作DVD BOXセット、ブック、しおり
 
150USドル THE NED ※送料無料
ヘンリー・フール三部作DVD BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック 
 
175USドル THE NED ※送料無料
ヘンリー・フール三部作Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック

250USドル THE FAY ※送料無料
DVD BOXセット、Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック、しおり

500USドル THE HENRY ※送料無料
DVD BOXセット、Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、しおり
『ヘンリー・フール』オリジナル白黒スチール(選択可)

1000USドル SPECIAL THANKS ※送料無料
DVD BOXセット、Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック、しおり『ヘンリー・フール』オリジナル白黒スチール(選択可)
ハル・ハートリー撮影の俳優ポートレート写真(選択可)

5000USドル SPONCER ※送料無料
DVD BOXセット、Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック、しおり、白黒スチール(選択可)、ポートレート写真(選択可)
スポンサーとしてお名前をクレジット

10000USドル PRINCIPAL SPONSOR ※送料無料
DVD BOXセット、Blu-ray BOXセット、新作CD、カレンダー、ブック、しおり、白黒スチール(選択可)、ポートレート写真(選択可)
プリンシパルスポンサーとしてお名前をクレジット
 
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2017年4月13日木曜日

『夜は短し歩けよ乙女』鑑賞。関西弁にうるさい関西人である自分を呪う。

原作も「四畳半神話体系」も知らないまま観た『夜は短し歩けよ乙女』がたいそう面白くて、劇場の売店に「劇中の絵本、本当にあるんです」とポップがあったのでパンフも絵本も買ってしまう散財っぷり。湯浅政明監督作としてはエナジーとパッションがほとばしる大傑作『MIND GAME』にも連なる豪腕と破天荒さに魅了される。
 
物語の舞台が自分が育ったエリアの京都が大半であり、このカットはあの交差点だなとか、映ってる「餃子の王将」は百万遍店だなみたいなことまでわかる。ただわかる、というだけでなく、よく知っている街がちゃんと描かれていて、荒唐無稽なファンタジーが土地と深く結びついて見えるのが刺激的だった。
 
作品のタイプは違うけれど、『この世界の片隅に』を観た呉や広島のひとは、きっと自分よりももっと広がりを感じながら観ていたのだろうなと思ったり。
 
あと男の方の主人公にだけ特化してみるとテーマ的に先日観た『レゴバットマン ザ・ムービー』と重なる要素が多く、内面的な葛藤をどう映像化するか・・・みたいなところも比較できて興味深かったです。
 
ただ、原作をまったく知らない者としては、京都が舞台なのに誰も関西弁を話さない世界観に馴染むまでに随分時間がかってしまった。ああ、この映画ほど、関西弁にうるさい関西人である自分を呪ったことはない。クセのあるセリフ回しが多いから原作準拠なんだろうと思うし、作品としても成立している。ただ、ここまで濃密に「京都」が描かれている以上、京都弁のバージョンも観てみたい。
 
弭間さん、これ読んでるかどうかわかりませんけど、ソフト化の際には京都弁吹替え版も収録してはくれますまいか、とダメ元でリクエスト。

2016年10月8日土曜日

深田晃司監督による小説版『淵に立つ』の話。

ああ、今日は『淵に立つ』の公開日なのか。イヤな空気を淡々と浴びせられ続けるような映画ですが、怖いくらい面白いです。
 
そして深田監督が執筆した小説版がとてもよかった。なにがいいって文章がよかった。簡潔で押しつけがましくなく、丹精で美しかった。それでいて、後半になるにつれて話者の人格が漏れ出るような綻びが出てきて、完璧な世界観がちょっとイビツになる。それが物語の揺らぎとシンクロしている気がする。
 
いや、気がするだけで全然そんな意図じゃないかも知れないけれど、完璧じゃないことが重要な気がしたのです。映画の行間を補足するサブテキストのようで、やっぱり映画で目にする役者の演技と小説の人物像がイコールでないのも面白かったですし、終盤の展開も映画とは違って、小説のが当初の構想に近いらしい。
 
カンヌ受賞もあってメディアの露出も随分増えた気がする深田監督ですが、小説家・深田晃司のデビューもちょっとした事件ではないかしら。

 
 
※イビツといえば「ここも?」って思ってしまう意外な箇所でのカタカナの多用。ちょっとご本人に意図するところをお聞きしたいです。
 
 
小説「淵に立つ」
https://www.amazon.co.jp/dp/459115145X/

2016年9月11日日曜日

『淵に立つ』が“生え際”映画の一本に連なる傑作だった件。

深田晃司監督作『淵に立つ』は世評に違わず傑作だった。おそらく黒沢清やミヒャエル・ハネケの文脈で語られるだろうし、実際にその誘惑にも駆られるのだけれど、本質的なところでは異質かつ独特な映画ではないかと思う。

これまでにも深田監督の作品に匂っていた“家族”という形態への不信感のようなものが、一見冷徹に思える作風の裏で怨念のようにふつふつと沸騰していて、結果的に監督の作品でもっとも人間的かつ感情的な作品になっていたように感じた。

やたらと不穏で蠱惑的な浅野忠信の怪演に関してあと少し。

浅野忠信の最近の姿を見る限り、髪の生え際が突然不安定になってきている模様。それは『淵に立つ』でも同じで、むしろ強調されているようにさえ感じるのだが、浅野忠信演じる八坂の丹精な外見、佇まいの中であの生え際のアンバランスさが突出し、あのキャラクターの、ひいては映画全体のいびつな感触を増幅しているのだ。

薄毛のお前は髪の具合に過剰にセンシティブだなと言われるかもですが、キャラクターのビジュアルって映画全体を支配するほど重要なもの。その点で『淵の立つ』の八坂の生え際は、『ノー・カントリー』のハビエル・バルデムのオカッパ頭級のパワーを放っていると思う次第です。

と、『淵に立つ』から派生して、“生え際”映画祭で上映するべき作品を考えてエレベーターが人間を襲うホラー『ダウン』を思い出した。

『ダウン』はナオミ・ワッツがたぶんブレイク前に契約してしまったらしく「なんでこんなB級ホラーに?」と驚いたものだが、イケメン扱いの主人公がやけに薄毛であり、彼が映る度にこれがB級映画であることを痛感させられるのである。おかげで「エレベーターが人を襲う」という強引な大前提も違和感なく見られてしまうという、まるで世界観を象徴するような薄毛であった。

この流れで友人に思い出させてもらったのがケビン・マクドナルド監督の潜水艦映画『ブラック・シー』。リストラされた潜水艦乗りたちがナチスの沈没船を見つけて財宝を手に入れようとするのだが、船長を演じたのがジュード・ロウ。

これが頼れるベテランなんだけど、時代に取り残され、家族も失い、カネだけはいるという散々な苦境に陥っていて、ジュード・ロウの生え際のおぼつかなさがこれまたキャラの不安定さや、しょぼくれた境遇にリアリティをもたらしているのだ。

ジュード・ロウは公私ともにモテモテのイケメンキャラで売ってきたが、同じく薄毛を強調していた『アンナ・カレーニナ』のようにイケメン崩れの成れの果てのような役柄の時に真価を発揮すると思っています。ジュード・ロウ、薄毛界のトップランナー。

と、話が随分と逸れたところで了。

2016年9月4日日曜日

脚本家・仁志原了さんのこと

脚本家の仁志原了さんが亡くなったと知った。6月に大動脈解離で倒れられて先月26日に亡くなったそうだ。仁志原さん、とさん付けで書くのは、仕事でないところで2、3度お会いする機会があったからだが、先方が覚えていらっしゃるかどうか自信がない程度の面識だった。

2016年8月18日木曜日

もうすぐ死ぬCIAエージェントがもうすぐ死ぬテロリストを追うニコケイ映画『ラスト・リベンジ』

先日のアントン・イェルチン追悼オールナイトで観た『ラスト・リベンジ』が、ダメな映画と言えばダメなんだけど、なんだか無視できない圧があって引っかかる件。

WEBサイト始めました。ネット配信系の映画/ドラマをレビューする「ShortCuts」

タイトル通りの告知目的なんですが、NETFLIX、Hulu、Amazonプライムビデオなどネット配信系で観られるオリジナル作品などをメインにレビューするサイトを、有志の友人たちと始めました。
《ShortCuts》
http://www.shortcuts.site/

2016年6月24日金曜日

【トリビア】「君が生きた証」にまつわるアレコレを追記。

アントン・イェルチンの事故はリコール車の欠陥が原因だったことがはっきりしてきたようで、メーカーに対する集団訴訟が起されたとのニュースが。シフトを「P」に入れても「N(ニュートラル)」になってしまう不具合で、コンピューター制御なので修理方法はソフトウェアをインストールするだけらしい。自動車の操作がもっとアナログだった時代にはありえなかった事故であり、AI化の弊害ってもはやSFだけの話じゃないな。

前回の「君が生きた証」全47曲解説というかなり自己満足的な投稿を、思いもよらず大勢の方に読んでいただいたようで本当にありがとうございます。改めて映画を見なおしたり、調べものを再開したりしていたら、気になることが次々と出てきて加筆や修正を繰り返していたのですが、もはや「曲解説」でもなんでもない内容が増えてきたので、メモを兼ねてトリビア的にざっくりまとめておきます。

2016年6月22日水曜日

『君が生きた証』全47曲解説

『君が生きた証』(2014・米/原題:Rudderless)でクエンティンを演じたアントン・イェルチンが、6月19日に不運としか言いようのない事故で亡くなりました。すでに脳内でイェルチン=クエンティンと化している自分は『君が生きた証』のことばかり考えてしまい、ネットを覗いてみると同じようにイェルチン=クエンティンに想いを馳せている人が大勢いて、勝手に連帯のようなものを感じています。

『君が生きた証』で使われている音楽に関しては、映画ライターという仕事と趣味の両方でいろいろ調べていましたので、劇中で流れる全47曲を登場順に並べて解説を書いてみました。どうかと思われる長さ(約9000字)ですが、ご興味のある方、自分のように『君が生きた証』に魅せられてしまった方のご参考になれば幸いです。

2016年5月16日月曜日

映画『さようなら』:竹の花はなぜ咲くのか?(ネタバレあり)

ちょうど深田晃司監督がカンヌに参加されているタイミングということもあり、前から書きますと約束したのに先延ばしにしていた映画『さようなら』の話を。ネタバレします。あと長文。

2016年4月18日月曜日

『リップヴァンウィンクルの花嫁』、歪みまくった怪作コメディ。

岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』、
かなりの怪作でした。面白かった。
監督は他人の作品を引き合いに出されるのは嫌でしょうけど、
自分にとっていかに予想外だったかを
説明するために言わせてもらうと、
トッド・ソロンズが『マルホランド・ドライブ』を撮ったみたいな
突拍子もないダークコメディという印象。
とりあえず冒頭から不穏な空気しか漂わず、
すき間すき間に悪意に満ちたギャグや小ネタが
ぽいぽいと挟み込まれてくるので
全編を通じて本当に油断がならない。
綾野剛の役柄にまつわるメタ構造も凄まじくて
「物語=作り物」という前提を幾重にも張り巡らし、
自分は「運命の創造主」にまつわる考察のようにも感じました。
黒木華は主体性のない女をみごとに演じていて、
ときたま突拍子もない擬音を使うときの発声がいちいち素晴らしい。
和田聰宏さんが今回もクソみたいな男の役で出ていて、
和田さんはいつもに増してクソみたいな男っぷりが板についていて
ハンサムのとても正しい使い方だと思います。
あと岩井監督は昔からですが、
作品をひとつのジャンルで括らせてはくれない。
本作を感動的な女子の成長ストーリーと取る人もいるだろうし、
ドSな変態監督のヒロインイジメにも見えるし、
人生の無常を対極的に見つめるかと思いきや、
とんでもないはだか祭が始まったりする。
右に左に振り回されて、混乱させられるのも込みでの面白さ。
ただ、3時間の上映時間はもう物理的につらい。
上映前にトイレに行ったにもかかわらず
2時間くらいは尿意を我慢していた気がする。
終始どこに転んでいくかわからない物語だけに
どうしても中座するタイミングが見つからない。
途中で休憩をはさんでくれるか、
入院した時にあまりにも快適だった尿道カテーテルが
もっと簡易化できるのならば、
あらゆる劇場シートに導入するべきではないかと
本気で思う次第です。尿道カテーテル最高。
と話題が逸れましたが、
岩井監督≒綾野剛というこの映画における関係性と
現代の観客はフィクションとどう向き合うのか
という命題については、もうちょっと考えてみようと思います。

2016年1月24日日曜日

知らないひとの人生がわっさわっさと降ってくる本。


結構前に買ったまま寝かされていたミランダ・ジュライのインタビュー本「あなたを選んでくれるもの」を、一度手に取ったら半日で読み終えた。自身の監督・主演作『ザ・フューチャー』の脚本執筆に行き詰った彼女が、フリーペーパーに売買広告を出す人たちに興味を抱き、片っ端から電話をして訪ねて回る突撃取材モノ。
いや、そこはミランダ・ジュライなんで突撃取材という勇ましさはなく、短く分けられた章に一組ずつあらわれる名もない一般人の濃密さに取材者本人が動揺し、読んでいるこちらも彼らの人生の断片を受け止めきれずに胸が苦しくなってくる。
とにかく一つの章を読み終えるごとに軽い休憩が必要で、一気に読み通したら『サウルの息子』並みに消耗するのではないか。
そして読み終えてみれば『ザ・フューチャー』の壮大なメイキングとしても機能している辺り、表現者の貪欲さってすごいなと。特に気まぐれで始めた取材が『ザ・フューチャー』の舞台裏や中身とシンクロしてくる終盤は、ノンフィクションとは思えないほどドラマが立ち上ってくる。
ミランダ・ジュライはもの哀しくもキラキラとした長編映画デビュー作『君とボクと虹色の世界』にノックアウトされ、第二作の『ザ・フューチャー』では暗い閉塞感がたちこめた内容に軽く途方に暮れたのだが、この本を読んだ以上『ザ・フューチャー』を観直さずにはいられない。
同業者でもあんまりミランダ・ジュライ観ているひとって多くない気がしますが、とりあえずこの本から入っても興味掻き立てられるんじゃないでしょうか。ささやかだけど凄味のある本でした。