インナ・バリ・ホテル＠デンパサール

で、“バリ島で一番古いホテル”である
念願のインナ・バリに泊まってきました、という前回の話の続き。

失礼な話ですが、あらかじめ期待値を下げて訪れたせいか、
思いのほか、ちゃんとしたホテルだった。

いや、むしろいいホテルだった。
少なくとも、ちゃんと個性と雰囲気と風格が備わっている、
居心地のいい中級ホテルでした。


正直、ここには歴史の残り香しか期待しておらず、
細かいところが行き届かない大雑把な経営なんじゃないかと
ずいぶん勝手な偏見をいだいていた。
インドネシア国内の団体客やビジネスマンがメイン客層だとも聞いていたし、
だいたい国営だし。国営ホテルでいいイメージってスペインのパラドールくらいか。
あと、メール出しても返ってこなかったしな。

ところが、まず一歩足を踏み入れたときの印象がいい。これ重要。
適度に老舗で、適度にメンテナンスされていて、
荒れている、汚いという印象はまったくなし。

敷地は通りを挟んで旧館と新館に分かれていて、
さほど広くないプールと、きれいに手入れされた庭を囲んで平屋の宿泊棟が並んでいる。

自分はフロントがある旧館の部屋に案内されたが、
部屋は清潔だし、ドアや窓の木枠に落ち着きと味わいがあって気に入った。

旧館プール。がっつり泳ぐ広さではない

泊った部屋。カテゴリーはデラックス

ツインの室内。簡素だけど天井が高い
エアコン、ミニバー、無料アクア付

夜の宿泊棟

ロビーと呼べるほどの広い共有スペースはないが、
こぢんまりとしたフロントの規模からすれば、敷地のレイアウトはゆったり。
プールは、新館側にもっと広いのがあるみたい。
オープンエアーのレストランは、ウソかマコトか24時間オープンとのこと。
少なくとも、深夜0時頃はまだ開いていました。

あ、でもメニューにやけに小洒落たスイーツが載っていたので注文してみたら
「すみません、ハビスです。いまはピサンゴレンしかできません」と言われた。
この辺はいかにもバリらしいご愛敬。

一番意外だったのは、
夕方にホテルに戻ってきたら、部屋に電話がかかってきて、
「こちらルームサービスですが、アフタヌーンティーをお持ちします」と言われたこと。
ちゃんとリゾートしてるじゃないですか。
少なくともビジネスホテル仕様ではない。
そのあと聞き違えたんじゃないかと思うほど待ったのはバリ時間だとして、
部屋のテラスで、サービスのお茶とパイナップルゴレンをおいしくいただきました。

弱点といえば、必要最小限に留めた狭いバスルームでしょうが、
それでもロスメン風じゃなく、ちゃんとホテルです。
それにインナ・バリに泊まりたいなんて考える人は、
たぶん高級リゾートの設備や至れり尽くせりの手厚いサービスは期待してないはず。

 

ただ、見学に行ったらバスルームのドアが腐っていたという話も聞いたので、
もしあんまりな部屋だったら変更してもらうのがいいと思います。
先の滞在時には、一棟丸ごとの改修工事もしていました。

チェックイン時に心配していたネット予約のトラブルもなかったし、
一度も頼まなかったけど、車寄せのスタッフはすぐ「タクシー呼ぶ？」って訊いてくれた。
隣には立派な銀行があって両替にも困らない（定休日だと困るかも）。

ププタン広場、バリ博物館、ジャガナタ寺院は歩いてすぐ。
デンパサール最大級の市場パサール・パドゥンも歩いて10分以内。
大通りを渡るのはちょっと怖いが、ティアラ・デワタもなんとか徒歩圏内。

ネット環境は無料Wi-Fiがあって、
パスワードはフロントで教えてもらえるけれど、
部屋からは電波が微弱で繋がらずでした。

朝食は一応ビュッフェで、ミーゴレンとかアヤムゴレンとか
トーストとかフルーツ盛りとか。
味はまあ普通。種類も少ないので、あまり期待しないほうが。

あ、あと敷地内のマッサージ屋が格安。
足ツボで有名らしいけど、
6万ルピア（500円強）でたっぷり90分間、足、腕、背中を揉んでくれる。

これでデラックスツイン一部屋２人で56USドル（公式サイト直接予約、TAX、朝食込）。
支払いはUSドルでもルピアでも可。
安宿って呼べる値段ではないですけれど、
歴史と雰囲気込みで、十分満足しましたよ。また泊ってみたい。

あと、下戸なんで未確認ですが、
ここには大酒呑みだったコリン・マクフィーが考案したカクテルがあるんだとか。

レストラン。普通にバリ仕様

最後に、部屋のベッドのランプシェードの写真を。こういうのたまらん。

※ここの情報はすべて2012年6月時点のものです