2017年4月13日木曜日

『夜は短し歩けよ乙女』鑑賞。関西弁にうるさい関西人である自分を呪う。

原作も「四畳半神話体系」も知らないまま観た『夜は短し歩けよ乙女』がたいそう面白くて、劇場の売店に「劇中の絵本、本当にあるんです」とポップがあったのでパンフも絵本も買ってしまう散財っぷり。湯浅政明監督作としてはエナジーとパッションがほとばしる大傑作『MIND GAME』にも連なる豪腕と破天荒さに魅了される。
 
物語の舞台が自分が育ったエリアの京都が大半であり、このカットはあの交差点だなとか、映ってる「餃子の王将」は百万遍店だなみたいなことまでわかる。ただわかる、というだけでなく、よく知っている街がちゃんと描かれていて、荒唐無稽なファンタジーが土地と深く結びついて見えるのが刺激的だった。
 
作品のタイプは違うけれど、『この世界の片隅に』を観た呉や広島のひとは、きっと自分よりももっと広がりを感じながら観ていたのだろうなと思ったり。
 
あと男の方の主人公にだけ特化してみるとテーマ的に先日観た『レゴバットマン ザ・ムービー』と重なる要素が多く、内面的な葛藤をどう映像化するか・・・みたいなところも比較できて興味深かったです。
 
ただ、原作をまったく知らない者としては、京都が舞台なのに誰も関西弁を話さない世界観に馴染むまでに随分時間がかってしまった。ああ、この映画ほど、関西弁にうるさい関西人である自分を呪ったことはない。クセのあるセリフ回しが多いから原作準拠なんだろうと思うし、作品としても成立している。ただ、ここまで濃密に「京都」が描かれている以上、京都弁のバージョンも観てみたい。
 
弭間さん、これ読んでるかどうかわかりませんけど、ソフト化の際には京都弁吹替え版も収録してはくれますまいか、とダメ元でリクエスト。

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