もう9年も前の話になるが、知人から電話があった。
「後輩が映画を撮ったんです、これが素晴らしいんです、村山さん、普通友だちが撮った映画が面白いんで観てくださいなんて言われたら絶対に面白くないじゃないですか、でもこれは本当なんです、ぜひ観て欲しいんです」
そこまで言うのであればとマスコミ試写会の最終回に滑り込み、度肝を抜かれたのが吉田恵輔監督の長編デビュー作『机のなかみ』だった。確かに素晴らしかった。才気と創意と、その辺の凡作どもを蹴散らしてやるという気概に満ちていた。あの時電話をくれた小出さんには今でも本当に感謝しています。
で、何が書きたいと言うと、友人でバンド仲間でもある女優・高木珠里さんの一人芝居「シュウチャク」が本当に素晴らしかったということ。2年前だかの初演も観ていて充分に面白かったのだが、精度もクオリティも格段に上がり、なにより1時間5分という尺に対する満足感がみごとだった。
自由奔放で、攻めの姿勢を貫きつつ、客観性が伴っていてウェルメイドですらある。そして珠里さんがやっていることが本質的にとんでもなくくだらないのがいい。特に中身を解説したりはしませんが、このパフォーマンスが平日の三日間しか観られないのはもったいなく、明日の最終日にまだ席があるらしいので、せっかくなのでご覧になってはいかがでしょう。
江戸川橋「絵空箱」にて、14:00と19:00の2回上演だそうです。
高木珠里公式サイト→http://takagijuri.com/
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